2015年8月4日火曜日

日本の教育予算は最下位のウソ

最近、報道などで日本の教育予算がOECD加盟国の中で最下位というものをよく目にします。日教組や文科省が、このOECDの報告を根拠に教育予算・教員給与のアップを要求していますが、この報道は大きな間違いがあります。

「子ども応援便り」という日教組絡みのサイトにある特集記事を引用してみましょう。
日本の教育予算は、国内総生産(GDP)の約3.6%となっており、OECD各国の平均の約5.3%を大きく下回り、加盟国34か国中最下位となっています(グラフ1)。これで日本の最下位は5年連続となりました。

この記事を見た人は、「えっ、日本の教育予算ってこんなに低いのか、大問題だ」と思うかもしれませんが、それは間違いです。

それはこのグラフがとんでもないインチキグラフだからです。注目すべきは、このデータが『国内総生産比』であること。極端に少子高齢化が進んでいる日本では(5-19歳人口の総人口に占める割合が、他の先進国では概ね20%前後であるのに対して、日本は約15%)、このような計測方法では数値が低くなるのは当然なのです。

そのことを裏付けるように、同じOECDのレポートには以下のような記述もあります。

日本における在学者一人当たりの教育支出(公財政支出と私費負担の合計)は、OECD 加盟国中比較的高い。2011 年における、初等教育から高等教育までの在学者一人当たりの年間教育支出額は10,646 米ドルであり、これは OECD 平均の 9,487 米ドルよりやや高い。

要するに、児童・生徒一人あたりの教育費はOECD平均より『比較的高い』にもかかわらず、子供の人数が少ないため、GDP比で見ると低い値が出ているだけというのが現実です。

わかりやすい例をあげましょう。世帯年収500万円で子供2人の家庭Aと、世帯年収1000万円で子供1人の家庭Bとがあったとします。さて、この2つの家庭、どちらが教育にお金をかけているのでしょうか。

一般的な感覚でみれば、1人あたり倍の100万円を支出している家庭Bが教育にお金をかけていると思うでしょう。しかし、日教組や文科省は、家庭Aのほうが教育にお金をかけていると言います。その理由は、家庭Aは年収比で20%も出している、Bは10%しか教育費を支出していないのだから、家庭Bはもっと教育費を出すべきだと。こんなバカな話はありません。

このように、日教組や文科省は、自分たちの権益を守るために、いろいろな数字を自分達にとって都合のいいように解釈して、マスコミや世論を操作しているのです。

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